CUSTA、プレシリーズAで6.5億円調達 ラクスルからのMBOを経て東南アジア発グローバル展開を加速
カスタマイズ製品の制作・発注プラットフォーム「CUSTA」を展開するCUSTA株式会社は、プレシリーズAラウンドにおいて総額6.5億円の資金調達を実施したと発表した。共同リード投資家としてデライト・ベンチャーズおよびグローバル・ブレインが参画し、第三者割当増資と日本政策金融公庫からの融資により資金を調達した。
また同社は、これにあわせてラクスル株式会社からのMBO(マネジメント・バイアウト)を実施。独立した経営体制のもと、東南アジアを起点としたグローバル市場への展開を加速させる方針だ。
拡大するカスタマイズ製品市場と残る産業課題
オリジナルグッズやノベルティ、印刷物などのカスタマイズ製品は、企業の販促活動や個人のギフト需要など幅広い用途で活用されている。一方で、従来の業界構造では「価格や納期が分かりづらい」「発注プロセスが煩雑」「小ロットでの発注が難しい」といった課題が存在してきた。
こうした問題は日本だけでなく、世界各国のカスタマイズ製品市場に共通する構造的課題とされる。市場自体は拡大を続けており、2024年に約70兆円規模とされる市場は、2030年には約90兆円規模に成長すると予測されている。特にアジア太平洋地域は今後、世界最大の市場として拡大が見込まれるエリアとされている。
しかし市場が拡大する一方で、発注・生産・流通における非効率性や情報の非対称性などの問題も顕在化しており、サプライチェーン全体のデジタル化が求められている。
カスタマイズ製品に特化したプラットフォーム「CUSTA」
こうした課題に対しCUSTAは、カスタマイズ製品に特化したプラットフォーム「CUSTA」を開発・提供している。
同サービスは、企業や個人がオリジナル商品を簡単に制作・発注できる仕組みを提供するもので、現在は東南アジア市場を中心に事業を展開。特にマレーシアとシンガポールでは、業界最大級となる4,500点以上の商品ラインナップを揃え、累計50万点以上のカスタマイズ商品を提供してきたという。
また、直近では5カ国以上への輸出も行うなど、国境を越えたサプライチェーンを構築しつつある。
今後は、カスタマーサポート、クリエイティブ制作、生産計画・管理、ロジスティクスなどバリューチェーン全体にAI技術を実装することで、システムとオペレーションの高度化を進める方針だ。これにより、世界中のユーザーがカスタマイズ製品の制作プロセスへよりスムーズにアクセスできる環境の構築を目指す。
MBOと資金調達でグローバル展開を加速
今回の資金調達とMBOは、東南アジアを起点としたグローバル事業を、よりスピーディーかつ中長期的な視点で推進するために実施された。
調達した資金は、プラットフォーム開発への追加投資のほか、経営幹部を含む人材採用、顧客基盤拡大に向けたマーケティング投資などに充てられる予定だ。あわせて同社は、VPoE/CTO候補、テックリード、BizDevなど、グローバル事業を牽引する創業チームの採用を開始している。
同社の代表取締役CEOである高城雄大氏は、ラクスルでCOOとして印刷EC事業を牽引した経験を持つ。コメントの中で同氏は、印刷やカスタマイズ産業に共通する「複雑な購買体験」「分散した生産構造」「多重下請け構造」といった課題を指摘し、これらは依然として多くの国・地域で解決されていないと述べた。
その上で、「ボーダーレスなプラットフォームを通じて、世界中の人々がカスタマイズ産業へより簡単にアクセスできる環境を実現したい」とし、日本発のグローバルプラットフォーム企業の創出を目指す考えを示している。
投資家コメント:巨大市場のDXに挑むスタートアップ
デライト・ベンチャーズのパートナー西田光佑氏は、カスタマイズ製品市場が2030年に約90兆円規模に拡大すると見込まれる巨大市場である一方、依然としてアナログな構造が残る領域だと指摘する。その上で、高城CEOがラクスルで培った産業理解と実行力を評価し、同社が日本発のグローバルプラットフォーム企業へ成長する可能性に期待を寄せた。
またグローバル・ブレインも、価格や納期の不透明さといった業界課題をテクノロジーとファブレスモデルで解決する点を評価。東南アジアを起点に世界市場へ展開するポテンシャルを持つ企業として、今回の出資を決定したとしている。
カスタマイズ製品という巨大市場において、デジタル化とグローバルサプライチェーンの再構築を掲げるCUSTA。ラクスルからのMBOを経て独立した同社が、日本発のグローバルプラットフォーム企業としてどこまで成長できるか、今後の動向が注目される。
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(TOMORUBA編集部)